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高齢者の安否を離れた家族に伝える「24時間安否見守りシステム」 NECシステムテクノロジー

高齢者の安否を確認する方法としては、古くは電話が使われてきたが、単に不在にしているか旅行に行っているなどで留守の場合もあり、必ずしも完全な方法ではなかった。
現在ではメールを用いた安否確認も開発されてはいるが、メールを使えないお年寄りも多い。
そこで、NECシステムテクノロジーは、同社のシステムテクノロジーラボラトリにて、電力監視技術を用いて、一人暮らしの高齢者の安否状況を遠方の家族へ知らせる「24時間安否見守りシステム」を開発した。

「24時間安否見守りシステム」は、日常生活において、高齢者が自宅で使用している家電製品の利用状況や扉の開閉状態を観察し、「日常の使い方とは異なる使用パターン」を自動的に発見し、生活に何らかの変化や異常が発生したかどうかを推測し、そこから予想される危険度に応じて、家族に電子メールで自動通知するサービスを行うものである。

本システムの最大の特徴は、監視カメラを部屋の中に設置し、部屋の中を遠方から観察するというような手段をとることなく、高齢者のプライバシーを尊重しながら「見守る」ことができることである。

また、これらの装置を設置しても、高齢者にそれまでの生活スタイルの変更を強いたり、新たな操作を行う必要がない点が大きなメリットになる。

本システムでは「日常の使い方とは異なる使用パターン(冷蔵庫の扉が長時間開いている、寝ている時間にテレビがついている、電気製品を使っている形跡がない等)」の状況から、起こっている状況を推測する安否判断ルール群とそれを実行する推論エンジンが安否判断を行う。

安否判断ルール群は、追加・編集していくことで、安否判断の水準を向上していくことができる。危険な状況であると判断すると、遠方の家族へ電子メールで数秒以内に通知する。

プライバシー侵害を伴わずに、適切に安否を確認できるシステムとして、実用化が期待される。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)