病気や怪我で総合病院に受診に行くと、何カ所もある待合室で長時間待たされることが多い。
ちょっと喫茶室で休憩でもしようかと思っても、いつ呼び出されるかわからないので、おいそれと場所を離れるわけにもいかない。
しかし、今般、富士通と富士通ゼネラルが開発した無線LANと電子ペーパーを利用したソリューションを利用すれば、電子カードホルダーに現在の待ち時間や呼び出しタイミングが表示されるので、待ち時間に応じて、自由に行動できる。また、カードのデータは電子カルテとも連動しているので、システムの構成次第では、受付から調剤薬局まで一貫して処理できるというメリットもある。
本システムでは、電子カードホルダーの背面にIC型診察券を挿入するだけで、自動で患者ナビゲーションシステムと電子カルテシステムに連携し、受付が完了する。
電子カードホルダーの画面には、「今日の予定」「呼出状況」「お知らせ」の表示項目があり、メッセージ表示に加え音と振動にて、患者へきめ細やかな案内が行える。
「今日の予定」では、予約時間と診察進行状況などの確認が行える。「呼出状況」では、診察の受付番号や診察までの待ち人数確認が可能だ。
また、「お知らせ」では患者へ任意のメッセージを送信することができる。
本システムは、電子カードホルダーの表示部にカラー電子ペーパーを採用しているため、表示状態での消費電力は0ワットに近く、充電も一週間に一度で利用できる。また、電子カードホルダーの受付機能によって再来受付機が不要となるため、受付機に必要な電力などが削減でき、省エネ、CO2の削減に貢献する。
また、本システムは富士通の電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-GX」と連携することにより、従来、紙で手渡していた診察の予定票を電子カードホルダーに表示させることで、紙の削減に繋がり、環境にやさしいシステムとなっている。
導入時には、受診者に対しての操作説明で若干の人手が要りそうだが、人間、便利なものにはすぐに親しめるものなので、普及はたやすいだろう。これによって病院内のアメニティを向上させ、多くの来院患者に快適な時間を提供することができそうだ。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)