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携帯電話と耳クリップ型脈拍センサーによるストレス計測アプリを開発 KDDI研究所

人間は適度なストレス環境下で刺激を受けながら生活するのが一番良いと言われる。しかし、日々多忙にして、ややこしい人間関係の中で生活する現代人は、ついついストレスをため込み、これが引き金となって重大な病気を発症したりする。
そこで、日々のストレスを計測し、ストレスオーバーになりそうなときには思い切って休むといったワークライフバランスを図ることが必要だ。
そのストレス指標を、携帯電話と耳クリップ型脈拍センサーによるストレス計測アプリが、KDDI研究所によって開発された。

これまで、ストレスを計測する機器は、心電計や唾液アミラーゼ測定装置など、専用の装置を利用するため高価であるとともに持ち運びも困難であり、個人で手軽に測定できるようなものはなかった。

今回開発されたストレス計測アプリケーションは、安価に入手可能な、耳クリップ型の脈拍センサーから信号を取り込み、それを携帯電話のイヤホンマイク端子に入力し、携帯電話のアプリケーションでストレスを推定するもので、携帯電話と脈拍センサーがあれば、いつでもどこでも、外出中でも測定可能としたところに特徴がある。

ストレス度は、脈拍の変動を測定し、脈拍の間隔の揺らぎから得られる交感神経と副交感神経の活動バランスにより推定している。この方式の携帯電話への実装および実験データ解析は、東京大学先端科学技術研究センターの伊福部教授の指導を受けて実施した。

また、42名の社内モニターにより、唾液アミラーゼ法と比較し有効性を確認した。今後は、推定したストレス度を日々の体調管理の目安としたり、ストレス解消につながるスポーツ関連サービスとの連携や、ゲームアプリへの応用を検討しているとのことだ。

本システムを中核として、体重や体脂肪率、血圧などの測定値を統合して管理できるアプリができれば、生活習慣病の予防にも大きく貢献するに違いない。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)