強烈な個性で大人気のマツコ・デラックス。テレビにひっぱりだこのマツコであるが、本業は辛口のコラムニストである。一見するとブームに便乗しているオネエタレントのようだが、実はただのオネエキャラとは一味も二味も違うのだ。そんなマツコの知られざる素顔を爆笑問題が暴いた。
「爆!爆!爆笑問題」は、爆笑問題と“濃いゲスト”との“濃いトーク”で他の追随を許さない番組である。6月30日深夜放送の回では、マツコ・デラックスが「魂を売った(本人談)」トークが展開された。番組開始時は「過去のことは勝手に想像して」と言っていたマツコだったが、番組が進むにつれて本音トークに熱が入った。
ゲイであることに悩んだことはない、とマツコは言う。なんとなく自分がおかしいと思うようになったのは小学校高学年の頃。“従兄の下半身が気になって仕方がない”などだんだんと自分でも“気づき”始めていた。
「それを『いけない』とか、思わなかったの?」と太田が聞くと、「それがなかったからここまで来ちゃった」と答えるマツコ。男の服を着て、男として生活していた時期も今と話し方などはほとんど変わることがなかったという。むしろゲイであることより、自分の自我に悩み、「この滅茶苦茶な人格でどうやって将来生活をしていくか」ということだけを悩み続けてきたと言う。
サラリーマンには向いていないし、肉体労働をする根性もない。だが、学生時代にそういうことで悩んでいても何かができるわけではないから、何もしないで、ただ時が過ぎるのを待っていた。「早く学生生活が終わって、どうにかこの身の処し方を選択できる状況に置きたかった」とマツコは語った。
どうにもできないから自殺をしようとか、マイナス方向にはけして向かなかったマツコに、「精神的に強いね」と感心する太田に対し、「強いんじゃなくて、面倒くさがり屋なんだと思う」とマツコは言う。「悩んでることすら面倒くさくなる。考えたってしょうがないじゃん」と。思っていた以上に話が深くなってきたところで「今日は魂、売ってるからね!」とマツコが吠えた。「爆笑さんだから、売ってるのよ!」。
自己否定はしない。ゲイであることは紛れもなく自分の一部であるのだから、それを否定したり変えたりする必要はない。ただ、人と違うのはこの滅茶苦茶な人格なのである。それを活かす仕事をしたい。そういう前向きなスタンスが、他のオネエタレントとマツコとの違いに表れているのだろう。
ちなみに、番組の最後にゲストが太田か田中を選ぶ「恋人にするならどっち?」のコーナーでは、マツコは迷わず「太田」と答えた。「オレに恋したら相当面倒くさいことになるよ」という太田に、「きかん坊ね」と嬉しそうなマツコ。普段は面倒くさがりだけど「恋は面倒くさいほうが好き」なのだそうだ。
(TechinsightJapan編集部 大藪春美)