ワールドカップ開会式出席決定だったネルソン・マンデラ。開会式当日の朝、マンデラ氏のひ孫が交通事故で死亡するという惨事で、欠席となった。ひ孫は2日前に13歳になったばかりだった。

開会式当日、ネルソン・マンデラはこの日を待っていたことだろう。6年前にワールドカップ開催国に決まって以来、「南アフリカでの開催は不可能だ」という批判を浴びていた。無事スタジアムも完成し、準備が整い、いよいよというところで悲しいアクシデントが発生、マンデラ氏は開会式出席を控えることとなった。

マンデラ氏のひ孫ゼナニ（Zenani）さんの乗っていた車が事故に遭い亡くなったという訃報は、マンデラ氏を深い悲しみに沈ませることとなった。開会式前日の夜にヨハネスブルグにあるソウェトのオーランド・スタジアムで行われた「ワールドカップ・キックオフ・コンサート」。ゼナニさんは、自身の好きなシャキーラやthe Black Eyed Peasなど国内外のアーティストが参加したコンサートで盛り上がった帰りに事故に遭った。車の運転手は飲酒運転で逮捕された。

ゼナニさんはマンデラ氏の前妻とのひ孫に当たり、ひ孫9人のうちの1人で、開会式2日前に13歳になったばかりだった。

突然の訃報で欠席となったワールドカップの開会式のほうは大成功に終わった。ズマ大統領が「開会式を楽しんでほしい」というマンデラ氏のメッセージを伝えると、観客席から拍手とブブジラが鳴り響いた。

ちなみに、開会式の朝から道路は渋滞し、南アフリカチーム「バファナ・バファナ」までもがスタジアムへの渋滞に巻き込まれたそうだ。スタジアムと関係のない場所でも、午後2時の開会式に間に合うよう帰宅する車で渋滞になっていた。もちろんブブジラも早朝から鳴り響いており、特に「バファナ・バファナ」がゴールを決めると、あちこちから歓声とブブジラが鳴り響いた。

ネルソン・マンデラには閉会式に出席してもらいたいものだ。
（TechinsightJapan編集部　近藤仁美）