検索ソリューションが新たな次元に入ろうとしているようだ。音声、画像、テキストを横断的に検索できる「ハイブリッド検索ソリューション」を日立システムアンドサービスなどが開発、2010年7月1日（木）より販売する。

ハイブリッド検索ソリューションは、音声・画像・動画・文書コンテンツを対象とした高速かつ高精度の検索ソリューションである。音声、画像、動画コンテンツの特徴量を自動生成し、それを用いて検索を行うため、事前のキーワード（属性情報）付与作業を行わなくても、検索を行うことができる。この際、音声コンテンツに対してはテキストが、画像、動画コンテンツに対しては画像が検索キーとなる。

音素の記号列と音声特徴量による検索方式とを組み合わせ、多段階の照合を行うことにより、2,000時間分のデータから約3秒という速さで、精度の高い検索結果を導き出す。ユーザーは、テキスト検索と同じ感覚で、任意の文字列をキーワードとして音声データおよび音声付き映像データの発話シーンを検索することができる。

さらに、数千万件の画像データから約1秒で類似した画像を検索する。画像データから画像特徴量（画像の色分布や輝度勾配パターン分布等の情報を数値ベクトル化したもの）を自動生成し、画像特徴量を基に類似検索する。また、形重視や色重視を指定して類似した画像を検索することができる。

テキスト検索においては、通常のキーワード検索以外に、類似した内容の文書を検索する自然文検索、更新日やURLなどを入力して文書を検索するプロパティ検索が可能である。また、エンタープライズサーチ機能によりシステム内のコンテンツと社内外のフィード情報を横断的に検索できる。

日立グループでは、各種検索技術の最適な組合せを検討、システム構成立案に向けたコンサルティングを実施する。またコンサルティングの結果を元に、システム設計からアプリケーション開発、そしてシステム構築まで、ワンストップソリューションを提供する。

この種の先進検索技術は、総合ショッピングモールのような店舗集合サイトにおいて、いかにしてワンストップサービスを提供できるか、そして商品検索と評判サーチをどのように効果的に連動させるかというシステムの実装がキモとなる。

あらゆるメディアや情報を横断的に検索して、買いたい商品を決めるというネットショッピングの楽しみがいっそう増すことを期待したい。
（TechinsightJapan編集部 真田裕一）