6月9日にシングル『ニライカナイ』を発売したCocco。この曲は彼女の出身地である“沖縄らしさ”を初めて織り込んだ作品だ。今までは、あえて沖縄色を排除してきた彼女は「大好きな沖縄に、自分が何も出来ない無力感」で、常に自分を責め続けていたという。
『ニライカナイ』とは、沖縄などで理想の故郷を意味する言葉である。
Coccoは沖縄を「好きで、好きすぎて、だから何かを期待してダメになったときの絶望感は、とても大きい。」それは沖縄で生まれ育った、県民みなさんの共通の思いだろう。
本当は基地問題について言いたいことが沢山あるのに、「どうせ、叶わない夢」「恩恵を受けている人もいるんだから。」と大きな声を上げることは、慎んできた。しかし、米軍普天間飛行場の国外・県外移設を求め沖縄で県民大会が、今年4月25日に開かれ約9万人が参加したのだ。
「沖縄県民が初めて、ひとつの意見を主張したんです。」「夢を諦めてばかりの沖縄の“おじい”と“おばあ”に死ぬ前に、ひとつだけでも叶う夢を見せてあげたいのに。」Coccoは、涙を浮かべるわけでも悔しさを滲ませるわけでもなく、真っ直ぐ前を見て語った。その大きく見開いた目に、彼女の強い思いが感じ取れた。
沖縄のために、自分は何も出来ないのか―と悩んでいたCoccoの元に彼女が通っていた幼稚園から、「園の歌を作って欲しい。」との要望があった。『めざましテレビ』(フジテレビ系)の中で、その幼稚園を訪ね曲を披露するCocco。「私には、沖縄のためにできることがある。それは、願いを込めて歌い続けること。」そう最後に語った彼女は、やっと笑顔になった。
(TechinsightJapan編集部 みやび)