エンタがビタミン

writer : maki

【エンタがビタミン♪】“たった5分”の為に9時間も。極寒の川に飛び込んだ武田真治のプロ根性。

俳優・渡辺大はあの渡辺謙の息子だが、今の彼にはそんな肩書きはもはや不要だろう。この夏公開される大作映画「ロストクライム-閃光-」に主演する渡辺大。同映画で彼と共演する武田真治も注目されるが、渡辺の口から武田の“役者としての究極のプロ根性”が明らかにされた。

「ロストクライム-閃光-」は1968年に発生して未解決である「昭和最大のミステリー」三億円強奪事件に関する物語だ。同事件はこれまでも映画、ドラマとして多数撮られているが、今回は従来の作品には無い真相に迫るサスペンスとなる。

主演する渡辺大が6月22日の『ごきげんよう』に出演した際に撮影中の苦労話を明かした。渡辺が演じるのは若手刑事・片桐慎次郎で、武田真治は記者・宮本翔大。そしてベテラン夏八木勲が元警察官のホームレス・緒方耕三を熱演している。

昨年の12月6日、かなり寒い日の事だ。この3人が川に落ちるシーンが難航して撮影は夜の9時から翌朝の6時にまで及んだという。しかし、そのなかでももやる気満々で燃えていたのが武田真治だった。武田は20万円もする自前のレザージャケットを着て撮影に臨んだ。当然水に落ちると縮むことになる。その熱意に渡辺大も感動したという。だが、川に落ちるシーンの前になると武田は「泳ぐのは苦手なんでよろしく」と言いだし、相手役の夏八木勲にも「もし、だめならよろしく」と懇願していた。

川に入った武田と夏八木がもみ合うシーンがしばらく続いた。すると案の定、武田真治が泳げなくなり夏八木に襟首を引かれて救助された。渡辺は撮影前にあれほど燃えていた武田の姿を思い出し、見てはいけないものを見てしまったと感じた。

武田真治の名誉の為に付け加えると、このシーンはボートを走らせて波が押し寄せた状態で撮影するので、川の流れと、大きな波が来て、さらに極寒という劣悪な状態で行われたのだ。泳ぎが苦手な彼が力尽きるのも無理はないのである。そんな中で最も元気が良かったのがベテラン夏八木勲だったのだ。渡辺は撮影中に彼が食べる食事の量もずば抜けて多いことに驚いたという。彼が昨年の話題作「劔岳 点の記」では山で過酷な修行をする行者を演じたのもうなずけるのだ。

ところで、武田真治をはじめみんなが、悪条件のもとに9時間かけて夜を徹して行ったこの撮影で、使う部分は僅か5分程度だという。“映画を作る”ということがいかに大変なことかを知ることができるエピソードである。
(TechinsightJapan編集部 真紀和泉)