冲方丁(うぶかた とう)という作家をご存知だろうか。1996年、早稲田大学在学中に、「黒い季節」が角川スニーカー大賞金賞を受賞しデビュー。2003年には、「マルドゥック・スクランブル」でSF大賞を受賞した新鋭だ。SF小説をメインに、アニメ制作、コミック原作、ゲーム制作などを精力的に行っている。最新著書「天地明察」が、吉川英治文学新人賞と、本屋大賞をW受賞して、話題になっている。
吉川英治文学新人賞とW受賞した「本屋大賞」とは、全国の書店員が「この本を売りたい」と思った本に投票する新しい形の文学賞だ。過去の受賞作には、堺雅人が映画で主演した伊坂幸太郎の「ゴールデンスランバー」などがある。
今回受賞した「天地明察」は、冲方丁が初めて書いた時代小説で、日本で初めて暦を作った渋川春海という人物にスポットを当てた本だ。
そんな冲方が、自身のブログで今回の受賞で贈られたものを紹介している。まずは本屋大賞のトロフィーと、吉川英治文学新人賞の記念純銀杯など、賞にまつわるものを紹介。そして受賞記念の贈り物。角川書店書籍担当者や、NHK、少年画報社編集長など、多岐にわたる人物から贈り物が届いた。
「異様に個性的な贈り物であり多謝!」とコメントしている。
驚くのは、本屋大賞からの、書店員からのポップの贈呈である。どのポップも個性的で多種多様。「天地明察」を推す全国の書店員からの声が、ポップからあふれてきそうだ。これには冲方も、「すごいすごいすごい」と、驚きと感動の嵐を覚えたようだ。
今年の秋には、SF大賞に輝いた「マルドゥック・スクランブル」の第一章がアニメ映画化され、公開される。「天地明察」も、「ゴールデンスランバー」同様、映像化されるかもしれない。しばらくは、冲方丁から眼が離せない。
(TechinsightJapan編集部 大滝ルカ)