ハイチ大地震からすでに1週間以上が経過、壊滅的な被害を受け首都機能はマヒ、死者は20万人かとも報じられている。米国では数々のセレブが多額の寄付金を救済活動組織に送っているが、中でも注目されているのが22日にMTVが放送するTelethon（電話募金ショー）番組、『ホープ・フォー・ハイチ』である。なんとカニエ・ウェストは、その番組への出演を断られていた。

ABC、CBS、NBC、 FOX、 CNNでも放映されるというその大規模な番組のホストを務めるのは、俳優のジョージ・クルーニーと、ヒップ・ホップ界のスター、ワイクリフ・ジョン。ジョンとの付き合いを考えれば、カニエの出演は当然のようにも思われるのだが…。

出演アーティストはクリスティーナ・アギレラ、ジャスティン・ティンバーレイク、コールドプレイ、U2ボノ、スティング、アリシア・キーズなど。まだ増えるはずである。

カニエは現在パリにおり、自身もコラボしているルイ・ヴィトンのファッション・ショーに、21日モデルの恋人アンバー・ローズと揃ってロング丈の毛皮コートで登場した。そのゴージャスぶりが話題になっているが、本来であればカニエは、米国MTVのその電話募金ショーへの出演で帰国のはずであった。ギャラ支払いの必要もない今回のチャリティ番組、いったいなぜ番組プロデューサーはカニエの出演を拒んだのであろうか。

9月にNYで開かれた『第26回VMA授賞式』で、カニエがステージに乱入し、最優秀女性アーティスト部門に輝いたテイラー・スウィフトからマイクを取り上げ、ビヨンセ支持を訴えたことは記憶に新しい。また、2005年に米国南部を襲ったハリケーン・カトリーナの被害救済の遅れに、「（当時の大統領）ジョージ・ブッシュは黒人のことなど考えていない」とNBCの生放送番組で発言、大変な物議を醸してしまった。

現在急ピッチで準備が進められているそのテレソン・ショー、製作スタッフの一人は、「MTVのプロデューサーの間で、カニエは何を言い出すか分らない危険人物ということになっています。名前は出しませんが、同じような声がアーティストからも出ています。カニエは常に、オレがオレがと自分に関する話ばかりする人間。この番組の趣旨は彼にスポットライトを当てることではないですから」と話している。

このような不愉快なことがあると、必ず雑誌インタビューなどを利用して思いの丈を語り、怒りをぶつけるのがカニエという男。さて、どこの雑誌がそのお相手をしてあげるのだろうか。
（TechinsightJapan編集部　Joy横手）