writer : techinsight

電子書店パピレスがメディアファクトリーと組んで、新時代のコミック誌『Comic CYUTT』を創刊。

電子書籍のパイオニアである電子書店パピレスが、メディアミックスを繰り広げる出版社の一つであるメディアファクトリーとコラボレートして新しいコミック誌を誕生させた。長引く出版不況の最中、どこまで健闘し発展していくのか期待は尽きない。

個人的な話をしてしまうのだけど、最近「CDがかさばると感じるようになった」という意見を見掛けることがあった。確かに音楽はもうCDではなくUSBメモリーで持ち歩いたり、iPodなどでMP3のデータを収めたり、直にネットを介してダウンロードしたりという時代になりつつある。もちろんそれでCDやアナログ盤がこの世から消えてしまうというわけではないだろうけれど、少なくとも環境の変化が音楽鑑賞のあり方を変えてしまったことは確かだ。そしてそれは書籍の世界にもあてはまるだろう。音楽ほど極端ではないにせよ電子書籍はインターネットの普及により発達し、携帯電話でデータをダウンロードして読むという楽しみ方も定着しつつある。

そうした電子書籍の世界におけるパイオニアであると言っても過言ではない株式会社パピレスが、12月11日にメディアファクトリーとタッグを組んで電子書籍オリジナルのコミック誌『Comic CYUTT(コミックキュット)』を創刊するという。メディアファクトリーは果敢に作品を様々なメディアミックス戦略で展開していく出版社のうちの一つである。そのノウハウを知り尽くした出版社がパイオニアと組んだのだから、見逃せるわけがない。

肝腎のコンテンツは、株式会社パピレスが運営する「電子書店パピレス」や電子書籍のレンタルサイト「電子貸本Renta!」として毎月第二・第四金曜日に販売される。作品の種類もミステリやドラマからコメディ、そして四コマ漫画まで様々だ。漫画からアニメ化されて人気に火がついた作品と言えば枚挙に暇がないが、この『Comic CYUTT』から火がつく作品も遠からず生まれることだろう。厳しい出版不況の最中に、新しい時代のコミック誌が誕生した。
(TechinsightJapan編集部 稲田つばす)