writer : techinsight

上場企業向け経営見える化ソリューション「経営羅針盤」提供 アシストとガイア

ITを活用した経営の「見える化」が、ちょっとしたブームであるが、これには遙か昔に同じ目的を持って提唱された先例システムが存在する。今では名前も忘れられたMIS(経営情報システム)であるが、当時のコンピュータ性能が非常に低く、期待に応えられなかったということで、IT史の中では失敗であったというマイナスの評価と、その後の発展の契機となったというプラスの評価がある。
現在の「見える化」においても、課題は同じであり現在の最先端のコンピュータ処理能力がマネジメントの意志決定の迅速さにどれだけ寄与できるかが焦点となる。
そうした中、 株式会社アシスト、株式会社ガイア、情報技術開発株式会社は、上場企業向けの経営見える化ソリューション「経営羅針盤」の提供で協業を開始した。

経営の意思決定に必要な情報を迅速に収集し分析したいという顧客ニーズの高まりに加え、上場企業において早ければ2015年より新会計基準(国際会計基準:IFRS)に適用した情報開示が求められる中、ガイアが開発したERP「J-GAIA」の経営管理情報データベース機能とアシスト販売のBIツール「QlikView」の組み合わせに、ガイアが経営分析に必要とされるレポートのテンプレートを用意し「経営羅針盤」として提供される。

販売は3社が行い、2010年末までの販売目標として20社への導入を見込んでいる。QlikViewにJ-GAIAを組み合わせたことにより、既存のシステムを変更することなく、既存の各種ERP、会計パッケージ、販売管理システムなどからデータを収集し、経営管理情報DBを自動構築する。

特長としては、連結グループ会社で勘定科目体系が異なる場合も個別のカスタマイズを行うことなく会社およびグループの分析が可能となることや、工数のかかるDB設計や経営分析レポートの作成が不要となること。そして経営分析に必要なDBやレポートはテンプレートとして提供されることで、導入及び運用の迅速さを図っている。

提供されるテンプレートの例としては、効率性指標、収益性指標、営業コスト指標、安全性指標、財務ハイライトなどであるが、これらが経営意志決定の必要要件を満たせば、必ず追加要求が出てきて、カスタマイズテンプレートの開発が必須となる。
テンプレートが多くなれば膨大な資料の山に埋もれて、「見えない化」となるリスクがあるので、販売する三社の協業により、どこまでソリューションとして適切なサポートをしていけるかが、導入成功のカギを握ると言えよう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)