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OpenIDを活用してシンプルかつ堅牢なシングルサインオンソリューション 日本HPと野村総研

一度のサインオンで、自分に使用権があるシステム全てにアクセスできるシングルサインオン環境は、これまで企業内の散在するシステムへのサインオン統合が主な目的であったが、昨今の主流であるインターネット経由で利用するSaaSや、B to B環境でのID連携においては、困難な面が多かった。
今般、日本HPと野村総研が共同でリリースしたアイデンティティ連携ソリューションは、OpenIDの導入により、シンプルで堅牢な企業間連携を実現するものだ。

従来のID連携システムを導入する場合、連携を行う各企業は認証システムと認証連携システムを導入する必要があり、高い初期導入コストと導入・運用にかかわる高い技術が求めれた。

一方OpenIDは、サービス提供側同士の事前の取り決めが不要なため導入障壁が低いという特長から、連携先での投資が抑えられ、ユーザー情報のやりとりについても、同意に基づく属性連携が行われるなど自由度が高く、これまでコンシューマー向け(BtoC)サービスを中心に活用されてきた。

今回、HPの製品「HP IceWall SSO」と野村総研の製品「Uni-ID」の連携により、安定した認証基盤の提供と最新のOpenID技術を実装し、充実したサポートを提供することができるようになり、コンシューマー向けサービスはもちろん、より高度なセキュリティが要求されるBtoB(SaaS/ASP事業者とサービス利用企業間、グループ企業間などのエンタープライズ領域)においてもOpenIDが適用可能になる。

また、企業システムにOpenIDを活用することで、連携先システムの改修の手間をかけずに、低コストで柔軟かつ機動力の高いID連携基盤構築を実現し、安心した運用ができる。

OpenIDは、mixiやGoogleなどのアカウントが、他のサービスとの連携を行うことで、容易にシングルサインオンを実現していたが、企業レベルでの利用はこれまでほとんど存在しておらず、コストをかけずに快適なシングルサインオン環境の構築ができるソリューションとして注目に値しよう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)