「サーバーの仮想化」という言葉が良く聞かれるが、それがどういう技術なのかはあまり良く知られていないことが多い。たとえて言うならば、これまで5人の兄弟がそれぞれ1LDKのマンションを借りていたのを、2LDKのマンション2つまたは4LDKのマンション1つに一緒に住もうとするようなものだ。人間の兄弟なら「同居はイヤ」と言うかもしれないが、サーバー(で動いているシステム)は文句を言わないので、1台のサーバーに同居させられるのである。それぞれ共有スペースは譲り合って、足りないものは貸し借りしておおむね順調にいく。しかし、兄弟の同居の場合には、家賃や光熱費の分担をどうするかが難しいのと同様、サーバーの同居も管理が複雑になりがちだ。バックアップもその一つである。
しかし、今般、 (株)ネットジャパンは、マイクロソフトのHyper-VやVMwareのvSphere ESXの仮想環境ホスト全体を含めて丸ごとバックアップし、障害時には素早くリカバリーできるソリューション、「ActiveImage Protector 2.7を2009年11月30日から出荷開始した。
Hyper-V環境では、従来のイメージングバックアップ製品を使ってハイパーバイザー(管理機構)が稼働しているホストボリューム全体をイメージングバックアップすると、仮想マシンの状態を意識せずにバックアップしてしまうため、強制終了と同じ状態でバックアップしたり、場合によってはブルースクリーンが発生し、期待した動作にならない。
これを回避するには、いちいちすべての仮想マシンをシャットダウンしてからバックアップをおこなわなければならず、仮想環境のバックアップとしての意味がない状態であった。
ActiveImage Protectorでは、ホスト環境全体を、仮想マシンを稼働したまま、さらに仮想マシン内で動作しているアプリケーションも含めてすべてのスナップショットを適切に作成しバックアップすることができる。
リストア後、各仮想マシンは保存された状態から稼働を再開することができる。
冒頭に例えた兄弟同居の話で言えば、これまで全員が寝静まるまで自分も寝ることができなかったところを、隣の部屋の人間が明け方まで騒いでいようと、電力を大量に消費していようと、一切気にすることなく寝ることができる完全防音のマンションに住むようなものである。
物事の一般論として、管理には手間がかからないのが一番良く、本ソリューションは、サーバーにおける現時点の各システム状況がどうなっていようと、そのままの状態でバックアップできるのが大きなメリットである。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)