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日本HP インテル Atomプロセッサー搭載シンクライアント発売

端末側にデータを持たせず勝手なアプリケーションのインストールも許可しない集中管理型のシンクライアントは、メリットの多さに比して普及は今ひとつである。
シンクライアントへの移行は、セキュリティ面の優位性と管理コストの低減メリットを従業員に説明し、十分な知識と理解を与えた後に導入する必要があるので、ベンダー側がどういったソリューションを提案するかが正否を決めると言ってもよいだろう。
そんな中、日本HPが、低コスト・省エネプロセッサーであるインテル Atomプロセッサーを搭載したシンクライアント端末「HP t5740 Thin Client」を発表した。

「t5740」は、リーズナブルな価格を実現したシンクライアントである。VMware View/Citrix XenDesktop/Webアプライアンスの設定がワンタッチで簡単に行える独自ソフトウェア「HP Easy Config Utility」を搭載し、導入時や管理に要する手間を削減する。

インテル Atom N280プロセッサー(1.66GHz)の搭載により、従来モデル(t5730)と比較して約1.3倍以上の処理性能向上を実現した。

また、映像出力端子として、VGA端子に加えて次世代規格のDisplayPortを備え、2画面同時出力を標準でサポートするとともに、さらに、オプションの拡張モジュールを追加することで、PCI Express ×4スロットまたはPCIスロットを増設することも可能だ。

これらの拡張性により、エンジニアリング用途にも活用できるとともに、一般的なスタンドアローンPCから移行しても違和感のない操作性を備えている。

また、シンクライアントと並んで、サーバ側の総コスト削減とグリーンITの中核として期待されている仮想デスクトップ環境として、代表的な「XenDesktop 4」、「VMware View4.0」をサポートしている。

冒頭にも述べたように、シンクライアント環境への移行は、従業員への周知徹底と併せてイニシャルコストの大小がカギを握る。ネットワークインフラが100BASE-Tのままで運用されている企業は、シンクライアントの快適運用のために1000BASE-Tへの移行が必要になる可能性もあり、併せて各種業務システムのサーバ集約も行っていく必要がある。

導入ベンダーが企業のIT環境を熟知した上で、最適な提案をしていくことが望まれよう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)