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アプリケーション連携により部品など在庫の最適化を実現する「GLOVIA/SCP FA V8」を販売 富士通

店頭で商品が一つ売れたら、POSレジを通して在庫管理システムに伝えられ、それが製造現場の生産管理システムに伝えられて、商品が1個増産されるという連係プレイがうまく動作すれば過剰在庫を抱えることも在庫不足を招くこともない。これは理想論である。
実際には売れ筋・死に筋の販売予測を経由して生産調整が行われねばならず、そこでも別のアプリケーションが稼働しており、それぞれの的確な連携はIT業界の長年の課題でもあった。
今般、富士通がアプリケーション連携基盤PSLXプラットフォームに準拠し、基幹システムと製造管理システムを結ぶシステム構築費用・期間を50%削減する製造業向け生産スケジューリングシステム「GLOVIA/SCP FA V8」を販売開始する。

現在、製造業においては「つくり過ぎのムダ」、「手持ちのムダ」、「在庫のムダ」などの工場内のムダを削減するために「生産スケジューリングシステム」の導入が進んでいる。
本システムでは、 製造上のさまざまな制約「人(Man)」「機械(Machine)」「材料(Material)」「方法(Method)」を考慮した計画立案が可能である。また、立案結果はガントチャート、負荷グラフ、集計表により、さまざまな視点・観点から、多角的な評価・修正を行うことができる。

また、「NPO法人ものづくりAPS推進機構」が提供する製造現場のさまざまな業務アプリケーション・ソフトウェアが連携するためのITインフラ「PSLXプラットフォーム」に準拠したデータ連携機能を提供する。

基幹業務システムより生産予定を取り込み、スケジューリング結果である作業オーダーをPSLXプラットフォームを介し、製造管理システムへ伝達する。これにより、従来の基幹システムと製造管理システムでデータ連携を行うシステム構築に比べ、構築費用、期間を大幅に削減する。

かつて昭和の時代には、こうした販売予想と生産管理は一握りのベテラン社員の「神業」に頼る部分が大きかったものであるが、ITが介在することによって、いかにしてITを使いこなして在庫調整を行うかが、企業の課題となっている。

特にファシリティマネジメントの隆盛により、物流を外部に任せることが一般的になっている現在では、外部のアプリケーションまでを連携させる強力な連携基盤が必要であり、本システムがその好例となることが期待されよう。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)