writer : techinsight

エリアワンセグシステムを活用した道路情報ライブ配信実験を実施 KDDI研究所など

特定のエリア内にワンセグを使用した情報配信を行うエリアワンセグシステムの実証実験が進んでいる。タウン情報を配信したり、道路の渋滞情報などを配信するといった使い方が想定される。

今般、KDDI研究所が新規開発したネットワークカメラ映像のリアルタイム配信システムを用いて、青森市内の道路用ライブカメラ映像を公衆IP網経由で配信し、遠隔地でエリアワンセグ信号として出力する道路情報のライブ配信実験を、2009年11月18日から幕張メッセで開催されるInterBEE2009のKDDI研究所ブース内において3日間実施される。

KDDI研究所では、複数のネットワークカメラの映像を集約してワンセグ用映像フォーマットにリアルタイムエンコードし、IPネットワークにライブ送出する配信系のシステムを新たに開発。

本システムでは、任意の地点から取得したネットワークカメラの映像や静止画を地上デジタル放送のワンセグ用映像フォーマットであるH.264にリアルタイムにエンコードすると共に、字幕情報やデータ放送を含めた形でコンテンツをIP配信することが可能である。

既に開発済みのワンセグIP/RF変換システムと組み合わせることで、配信されたライブカメラ映像をIPネットワークに繋がる任意の地点においてリアルタイムにワンセグ信号に変換でき、既存のワンセグ端末での視聴を可能とする。

今回、幕張メッセで開催されるInterBEE2009のKDDI研究所ブースにおいて、青森県内に設置された道路用ネットワークカメラの映像を、公衆IP 網を介してライブ配信する実証実験を実施致する。道の駅などに本システムを設置することで、特に冬期の道路積雪情報や除雪情報などを、ワンセグの高品質映像およびデータ放送を駆使してリアルタイムに配信することが可能となる。

積雪地の道路事情は過酷であり、大雪が降った日の翌日は除雪車が出動済みであるかないかによって、渋滞状況が変わってくる。また地吹雪によるホワイトアウト現象や、ブラックアイスバーンによる凍結路面情報など、提供するべき情報は多い。

また、全国的レベルで見ても、行楽シーズンの渋滞情報や迂回ルートの提供などが期待でき、幹線道路では道路情報、市街地ではタウン情報といった具合に、ローカルエリアのワンセグ放送で得られる情報は多く、実用化が期待されるところである。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)