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NEC、自然言葉入力で蓄積した映像から特定の人物を発見できる人物検索技術を開発

犯罪捜査の現場にとって映像解析は必須と言える技術だが、その映像解析検索において、NECは自然な言葉を入力することで、多くの監視カメラによって蓄積された大量の映像の中から、服や顔の情報をもとに、特定の人物を高精度に発見できる人物検索技術を開発した。

従来、服装をもとにする人物検索では、服の色として代表的な一色を指定するか、あるいは画像で指定する必要があったが、本技術は、例えば「茶色のジャケットに黒いズボン」のように、自然な言葉を入力するだけで、自動で人物の上下半身を分離し、それぞれの色や色の割合をもとに検索できる。

本技術は、例えば目撃情報や顔写真による犯罪捜査、迷子になった子供の捜索、施設利用者の足取り調査など、幅広い用途で利用できる。

また、特定の場所でどのような色の服を着ている人が多いかといった流行の分析にも用いることが可能で、服飾業界などでのマーケティングへの応用も期待できる。

探したい人物の特徴に関する自然な言葉から、服の色や種類に関する単語を自動で抽出し、これを画像の特徴データに変換して検索。変換の際に、服の重ね着による色の割合の変化や、正面とそれ以外による色の見え方の違い、上下半身の服の違いにも考慮して特徴データを作成することで、より正確な検索が可能だ。

さらに顔情報についても、顔の向きや光の当たり方が異なる場合でも高精度な顔の検出・照合ができるNECの顔認識技術も組み合わせ、顔画像と服装情報の両方を用いた高精度な検索を実現している。

なおNECでは、本技術を使った人物検索システムおよび認証技術を用いて人物の行動をリアルタイムに分析する人物追跡システムを、本年11月5日、6日に東京国際フォーラムで開催予定の「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO2009」に出展予定となっている。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)