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フリーズした機器を簡単かつ安全にリセットできるICを開発  STマイクロ

フリーズした電子機器はリセットボタンを押してリセットしなければならないが、うっかりリセットしてデータを喪失するリスクを防止するために、多くは分かりにくい場所に設置され、シャープペンなどの道具で押下しなければならない。そしてそれすらできない場合にはバッテリーを取り外すことでリセットを完了させるのだが、この場合データ消失の危険が大きくなる。
そこで、今般、STマイクロエレクトロニクスは、電子機器の安全な再起動を実現する新しいスマート・リセットICを発表した。
同製品により、使用中の電子機器が「フリーズ」した際に、バッテリを取り外したり、筐体に設けられたリセット・ボタンを押すための道具を探す動作が不要になるため、ユーザの感じるストレスが解消される。

STの新しいスマート・リセットIC であるSTM65xxファミリは、2系統のリセット入力端子を搭載しており、任意に設定された2つの既存の操作ボタンに接続することができる。

2つの操作ボタンを一定時間(プログラム可能)押すと、メイン・プロセッサにリセット信号が送信され、2系統のリセット入力端子の搭載に加え、リセット遅延時間がプログラム可能なため、ボタンの押下操作と押下時間を組み合わせることで、予期しないリセットを防止することが可能だ。

従来製品は1つのリセット・ボタンを制御するのに対して、STM65xxは、スマート・リセット機能を備えた2系統の入力端子の他、多くの製品設計において必要とされるスーパーバイザ機能とリセット機能を搭載した製品である。

既存の操作ボタンによる手動リセット操作が可能なため、筐体にアクセス穴を設ける従来のリセット機能の設計が不要になる。その結果、価格を低減できる他、防滴性あるいは防水性を備えた新製品開発という可能性も広がる。

STM65xxは現在量産中で、単価は1万個購入時に約0.53ドルとしている。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)