writer : techinsight

【名盤クロニクル】ダイアナ・クラール「ライブ・イン・パリ」

(画像提供:Amazon.co.jp)

(ジャンル:ジャズ)
フランスは、古くからジャズには大変好意的な国で、渡仏したジャズミュージシャンは熱烈歓迎を受けたそうである。
そのせいかパリでのライブ録音には素晴らしい演奏が多い。今回紹介するダイアナ・クラールの「ライブ・イン・パリ」も、スタジオ盤には見られないスインギーさと硬派な歌い口の素晴らしいアルバムだ。

ジャズヴォーカルというと、4ビートアップテンポかスローバラードのどちらかで、昔なじみの曲を淡々と聴かせるものが多いのだが、ダイアナ・クラールの「ライブ・イン・パリ」は1曲ごとにアレンジメントの素晴らしさが際立つ。

もちろんアップテンポの王道ジャズヴォーカルもあれば、スローバラードもあるが、ピアニスト兼業という彼女の表現は、自由闊達だ。

特におもわず笑ってしまうのは、通常、アップ~ミドルテンポで歌われる「スワンダフル」をボサノヴァアレンジで披露したあと、ボサノヴァの名曲「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」をスタンダード4ビートで披露していることだ。

クリシェに陥らず、それでいて奇異をてらわない心憎い演出である。

選曲にも妥協がなく、日本企画アルバムのような「またこの曲か」というようなヒットパレード状態とは無縁の世界だ。

ジャズヴォーカル入門としても大推薦したい名盤と言えよう。なお、同じ録音のDVDもリリースされているので、彼女の麗しいお姿を見ながら聴きたい人は、DVDのほうを買い求めることをオススメする。

(収録曲)
1. I Love Being Here With You
2. Let’s Fall in Love
3. ‘Deed I Do
4. The Look of Love
5. East of the Sun (and West of the Moon)
6. I’ve Got You Under My Skin
7. Devil May Care
8. Maybe You’ll Be There
9. ‘S Wonderful
10. Fly Me To The Moon
11. A Case of You
12. Just the Way You Are (素顔のままで) *スタジオ録音
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)