writer : techinsight

【名盤クロニクル】ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー・トリオ

(ジャンル:ジャズ)
ジャズの世界もボーダーレス化が進んでおり、昔のように「近寄りがたい雰囲気」はなくなってきている。しかし、「近寄りがたいジャズファンのおじさん」といった種類の人は今でも存在しているので、無理に仲良くする必要はないが、もし仲良くなりたいなら、このアルバムの話題を振って見るとよいだろう。

このアルバムは、誰でも知っている超名盤というわけではないが、広く愛されている名盤である。聴いていると、メシが美味い、酒も美味い、聴いていてなんとなく安心できる演奏なのだ。

そして、ジャズ初心者の人が「僕、ジョン・コルトレーンの【バラード】が好きでぇ」などというと、「ダメダメ、コルトレーンの最高傑作は○○○(いろいろある)だよ」などとお説教をされてしまうが、「ハーフ・ノートのウェス・モンゴメリーとウィントン・ケリー・トリオ」が好きだと言えば、気むずかしいオジサンもご機嫌になるであろう。

ジャズに限らず、音楽は自分が気に入ったものを、誰がなんと言おうと聴いていて全く問題ないのだが、1枚のアルバムをネタにして、見知らぬ人と仲良くなれるという経験もよいものである。

演奏は、ウェス・モンゴメリーというスター級のジャズギタリストが、ウィントン・ケリーという脇役でこそ光るピアニストを得て、お互いに最高のプレイを披露し合っている。
楽しさが美味しくパッケージされたステキなアルバムである。

(収録曲)
1. ノー・ブルース
2. イフ・ユー・クッド・シー・ミー・ナウ
3. ユニット・セヴン
4. フォー・オン・シックス
5. ホワッツ・ニュー
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)