writer : techinsight

【お笑い峰打ちコラム】ブレイク前夜の東京03がもたらすもの

 東京03(プロダクション人力舎)がキングオブコント2009で栄冠をつかんでから1ヵ月超。彼らを取り巻く環境が、以前とは明らかに変わってきている。テレビでの露出が圧倒的に増えているのだ。

 TBS系「ザ・イロモネア」、テレビ朝日系「アメトーーク!」、フジテレビ系「人志松本の○○な話」など、お笑い芸人ならば誰もが憧れる人気番組に立て続けに出演。降って湧いた大抜擢によるフワフワ感はご愛嬌だ。このままいけばよりバラエティ色の強いテレビ番組に顔を出し始めるのも時間の問題であろう。

 以前ならば03をテレビで見られるのは、NHK「爆笑オンエアバトル」と日本テレビ系「エンタの神様」くらいのものだった。どちらもショートネタが主流だった最近のお笑いブームからすれば本流とは言い難い。しかし比較的長めのコントを得意とする彼らにはおあつらえ向きの舞台だった。

 オンバトはともかく、ここでエンタが03をプッシュしないのがやや解せない。エンタは一見するといまだに出オチ、あるある、フレーズばかりを重視する番組のように思えるが、実力のある芸人のコントをそこそこの長尺で見せることにも以前から取り組んでいるのだ。

 03やサンドウィッチマンはブレイクするずっと前から定期的に出演しているし、ラバーガールなど後続となりうる芸人も抱えている。エンタもこの路線を大事にすれば過去の栄光を取り戻せるのではと睨んでいるのだが、それはさておき。

 いつもは他番組でブレイクした芸人をここぞとばかりに出演させるのが常であるのに、キングオブコント2009以降の03の出演は1度のみ。物理的な問題や大人の事情は私にはわかり得ないが、エンタの神様、まったくもってミステリアスな番組である。

 ともあれ、東京03はここ数年では珍しく、レッカペ&レッシアとは無縁のところでブレイクし始めている芸人だ。彼らの台頭により、少しずつ方向性を変えて長らく続いてきたお笑いブームがまた変化する可能性は高い。
(TechinsightJapan編集部 三浦ヨーコ)