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【名盤クロニクル】スウィングル・シンガーズ「1812」

(画像提供:Amazon.co.jp)

(ジャンル:なんでもあり)
「スウィングル・シンガーズ」は、フランスの伝統あるアカペラコーラスグループである。とはいっても無伴奏合唱というのとは異なり、クラシックでもジャズでもポップスでも全部まとめて、超人的な「シャバダバ系スキャット」で聴かせてしまう凄いグループである。

今回紹介するアルバム「1812」は、ビートルズナンバーやスタンダードジャズ、ポップ、シャンソン、クラシックなど、あらゆるジャンルの名曲を超人的なスキャットでこなしてしまう楽しいアルバムだ。

もちろん、歌詞のある曲はメインヴォーカルが歌詞を歌い、他のメンバーがスキャットで伴奏を付けているのだが、完璧なまでに原曲を再現する「こだわり」ぶりが凄い。

特にクラシックをアカペラで歌う場合には、曲の一部をアレンジして、「こんなのやってみました~」という余興になってしまうことが多いのだが、彼らの場合には長い曲でも省略せずに全部演奏してしまう。

中でも圧巻は、チャイコフスキー作曲のオーケストラ曲「1812年」であろう。1812年のナポレオン軍撃破を祝うこの曲は、クライマックスで本物の大砲をぶっぱなすことで知られるド派手なオーケストラ曲だが、その大砲の音まで見事に声で表現しているのである。

理屈抜きで、「わー凄い凄い!」と楽しめるオススメの名盤である。

(収録曲)
1. Overture to “William Tell”
2. Pastime With Good Company
3. Dieu, Qu’il la Fait Bon Regarder
4. Quant J’Ai Oy le Tabourin
5. Yver, Vous N’Estes Qu’un Villain
6. Fool on the Hill
7. Lady Madonna
8. Day Tripper
9. Blackbird/I Will
10. Someone’s Rocking My Dreamboat
11. Summertime
12. Another Hundred People
13. Clair de Lune
14. Gunn, Peter
15. 1812 Overture
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)