writer : techinsight

【名盤クロニクル】ジェントル・ジャイアント「スリー・フレンズ」


(画像提供:Amazon.co.jp)

(ジャンル:ロック)
技巧派プログレッシブ・ロックとして玄人筋から非常に評判の高いバンド「ジェントル・ジャイアント」の1973年発表の作品である。このバンドは様々な楽器を持ち替えながらめまぐるしく変遷するアンサンブルを聴かせるのが、聴きどころのひとつとなっている。

ロックの世界では、マルチプレイヤーと呼ばれる、一人で様々な楽器を演奏するミュージシャンが尊敬を集めることが多いが、ジェントルジャイアントの場合は、楽器の持ち替えがあまりに凄いので、まるでサーカスを見ているような気分になるぐらいだ。

普通にギター、ベース、ドラムスといったロックフォーマットの演奏をしていたかと思えば、リコーダーアンサンブルで古楽風の演奏を聴かせたり、かと思えばヴァイオリン、チェロに持ち替えて弦楽アンサンブルになってみたり、突然トランペットを吹いてみたり、ヴォーカルアンサンブルを聴かせたりという具合だ。

複雑怪奇な楽曲を楽々と演奏してしまうサマは、圧巻の一言に尽きる。

さて、このスリーフレンズは仲良しだった3人の少年が成長して別々の道に進み互いに理解し合えなくなっていく物語を、現在・過去を交錯するコンセプトアルバムだ。

ジェントル・ジャイアントの多彩ぶりが遺憾なく発揮された傑作で、楽曲ごとに様々な趣向がこらしてあり、上述した多芸ぶりも冴え渡る。

彼らの楽曲としては、メロディアスなものが多く、初めて聴く人にはオススメの1枚といえる。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)