writer : techinsight

ユーザーの「気分」を検索する料理レシピ「みんなのレシピ検索」β版提供 ニフティ

インターネット上のホームページやブログが、「集合知」であることはすでに常識となっているが、それをナビゲートする検索システムは、目的の情報を探し出すだけではなく、ユーザーの気分やキモチといった本来コンピュータにはなじまないとされる情報を検索できるようになってきた。
そうした研究成果の一つが、ニフティ研究所が完成した、その日の気分で料理レシピを探せる新しい検索システム「みんなのレシピ検索」β版である。

「みんなのレシピ検索」β版は、独立行政法人情報通信研究機構(NICT:NationalInstitute of Information and Communications Technology)への委託研究により得られたさまざまな知識データを活用して完成した検索システムである。

この知識データは食材のリスト、食材の健康効果、調理のヒントなど、大量かつ多岐にわたるものであり、億単位のホームページやブログなどから、NICTのMASTARプロジェクト言語基盤グループが開発中の「汎用自動知識獲得システム」により短時間かつ効率よく収集された。この知識データに対して、ニフティ研究所で開発した柔軟な検索機能(自然文検索、多観点検索)を適用して完成した。

「みんなのレシピ検索」β版では、NICT委託研究により得られた知識データを用いることで、「アジを使ってイタリアンを作りたいんだけど、バジルを使った料理はある?」など、単語検索ではなく自然文での検索ができることが特長である。
その他、「ビタミンCを摂れる料理」や「美肌になるスープ」などの効能からの検索も行うことができ、従来の検索エンジンと比べてより柔軟な検索ができるようになった。

また、検索結果には、そのレシピに含まれる栄養素やその健康効果、食材の旬、付け合わせにぴったりの他のレシピ、代用可能な食材など、レシピを起点とした派生情報も併せて表示することができる。これらの情報により、利用者に新たな気づきを提供することができる。

この「みんなのレシピ検索」β版は、10月6日(火)から幕張メッセで開催される最先端IT・エレクトロニクス総合展「CEATEC JAPAN 2009」に出展するNICTのブース、「NICTスーパーイベント 2009」で発表される予定である。

こうしたテクノロジーは、BI(ビジネスインテリジェンス)分野で応用されることが多いが、ニフティ研究所では「レシピ」という消費者に直結した分野で提供している点が画期的である。

検索エンジンは、目的の情報を探すことから、さらに進んで「私は何が好きなのか」「私は何を知りたいのか」といった、気付きを促すものへと進化しつつある。

検索結果をネット広告と連動することで、さらなるビジネス展開を図ったり、検索結果をカスタマイズしてクリッピングするサービスを導入したりすることで、いっそうの有効利用が図られるのではないだろうか。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)