writer : techinsight

【萌えよ!炎上キャッチャー】またもトレース発覚で活動無期限休止へ!

近年続々と発覚している漫画家やイラストレーターのパクリ疑惑やトレース問題。その対象は有名漫画家から同人漫画家まで広きに渡り、時には検証サイトが立ち上がり祭りになることもしばしばだ。今年、第2回マンガ大賞2009を受賞した漫画家末次由紀氏が、過去、トレース疑惑により一時活動停止となっていたことをご記憶の皆さんも多いだろう。

今回、トレース疑惑から祭りとなり謝罪文と共に活動の無期限休止を宣言するまでに追い込まれたのは轟そら氏。氏はpixivでファンを持つ絵師の一人で、ライトノベルの挿絵や携帯電話向け恋愛ゲームポータルサイトで原画を描くなど商業活動も行っている。

問題となったのは氏のイラストに描かれている小物。風景や室内の様子、電話や懐中時計などなど、ネット上にある画像と一致するものが続々と指摘・検証され、トレースしているのではないかとネット上で話題になったのだ。当初はサイトに商用作品でのトレースを否定する一文を掲載していたのだが、現在その一文は削除されており、この点についてもネット上では議論が交わされ検証されている。また、当初、トレースの指摘に対して轟氏が自身のサイトに、取りようによっては逆切れとも思える文を掲載したことも祭りになる一因となったようすだ。

ただ、この検証、かなり細かい部分や見落としてしまいそうなものまで取り上げられており、ネット上では「これもトレースって言うのは酷じゃないか?」「えーこんなんで追い込まれちまうのかよ…」「これで引退はかわいそすぎる てかこんなのがアウトなら、他の商業絵師もガクブル状態じゃね?」と同情的な意見も出ており、「探すほうもすごいな」「わざわざこれを探してくる奴の原動力はいったい何なんだ」「この場合、作者よりもトレス元を探し出して騒ぎ立てた奴の方が異常だと思われるぞ」と、逆に検証した人の執着ぶりに驚きを隠せないコメントも。記者が確認した範囲では、グレーゾーンだが許せるのではという意見とトレースという行為は許すべきではないという意見が半々のような状況であった。

ネットが普及し情報を探すことがたやすくなったことで、ついついという気持ちから転用や転載をしてしまう人の気持ちも解らないではないが、自分ではない第三者が撮影したものには(解釈による微妙な線引きはあれど)著作権が発生するということを常に忘れてはならない。それこそ、自身が絵を描くことを生業としているのであれば著作権についてはもっと敏感になるべきであったろう。

現在、轟氏はpixiv上の絵を削除し、サイトには“殯※お詫び”と題した「沢山の方にご迷惑や混乱を招き、本当に申し訳ありませんでした。絵描き、ひいては社会人としてのモラルが欠如しておりました」という内容の謝罪文のみを掲載している。謝罪文によると、サイトは後日閉鎖する予定である旨がかかれており、無断トレースをした代償は大きかったようだ。
(TechinsightJapan編集部 北島要子)