世界で最年長の小学生が天寿を全うした。「自由というのは学ぶということ。」と勉強することの素晴しさを語ったケニアの戦士は、悔いのない人生を送ったことだろう。

キマニ・マルゲさんは読み書きの出来ない９０歳のおじいさん。ケニアが英国植民地から独立するために闘った１９５０年代のマウマウ戦争（Mau Mau）でマウマウ戦士として戦ったことのあるマルゲさんは、学校に行くチャンスがなかった。
２００３年に政府が小学校の無償教育政策を立ち上げたことを知ったマルゲさんは、この遅すぎる幸運に飛びついた。２００５年にはニューヨークを訪問、世界中の貧しい人々のための教育について世界のトップリーダーたちと討論した。さらに無償教育キャンペーンのポスターにも載せられるなど、一躍ケニアでの有名人になった。２００８年の選挙による暴動で家を焼かれた後も学問への情熱は冷めず、避難先のキャンプやナイロビの老人ホームへ移ったりしながら勉強は続けていた。

２００６年のインタビューに、「聖書を読みたいから学校で勉強したい。目が見えなくなるか、死ぬまでは勉強を続ける。」さらに「自由というのは学ぶということ。」と答えていた。

マルゲさんは今年の初めにガンと診断、手術を受けたもののその後体調が悪化し亡くなった。小学校卒業まであと２年だった。

（TechinsightJapan編集部　近藤仁美）