8月28日にリリースされたMacOSX 10.6 Snow Leopardの外見上の最も大きな変化は、Dock統合されたExposeであろう。
多くのウインドウを整理一覧して切り替えられるExposeは、登場当初は話題を呼んだが、その後デスクトップを複数切り替えられるSpacesの登場で、なんとなく影が薄くなった感があった。
今回、大きくバージョンアップしたExposeが、Windows7に搭載される高機能タスクバーと比べてどのように異なるかレビューしてみたい。
新Exposeの機能は、多くのアプリケーションウインドウを開いている状態でDockに格納されているアイコンを「長押し」すると、自動的にExposeが起動して、そのアプリケーションにかかるウインドウのみをハイライトするというものだ。
ハイライトされたウインドウをクリックすれば、そのウインドウが前面に来る。
(下図参照)
また、アイコン長押しでコンテキストメニューが表示され、隠したり、アプリケーションを終了させたりできる。
Macにおいては、アプリケーションを終了させるには[command]+qというキー操作をするのが原則(例外はたくさんある)であったため、今回のExposeにより速攻でアプリケーションを終了させることができるようになった。
一方で、Windows7のタスクバーは、アイコンにマウスポインタを置くと、自動的にそのアプリケーションにおけるウインドウの縮小版(ウインドウそのものではない)が表示され、その縮小版の上に再度マウスポインタを置くと、そのウインドウがフルサイズでハイライトされる。
(下図参照)
特定ウインドウを前面に出したり隠したりするのに、MacのExposeは1アクション、Windows7のタスクバーでは2アクションを要する。
しかし、Windows7の場合はクリック操作なしのマウスポインタオーバーだけで、複数ウインドウのフルサイズをプレビューして、切り替えできるので、一概にどちらが便利とは言い難いのが現状だ。
アプリケーションの終了について、Windowsの場合にはすべてのウインドウをクローズしたときに終了するのが原則なので、シフトキーを押しながら縮小ウインドウのどれか一つをクローズすれば、アプリケーションが終了する。
一方で、Exposeのほうは複数デスクトップ機能であるSpacesとの連携という機能がある。
4番デスクトップに置いてあるウインドウを今すぐ1番デスクトップで使いたいと思ったときに、これまではSpacesを起動して、デスクトップ間でウインドウをドラッグする必要があったが、Snow LeopardではExposeだけ、つまりDockアイコンの長押しだけで操作できる。
Snow LeopardにせよWindows7にせよ、便利になるかどうかは使い方次第ということになるだろう。
しかし、今年の二大OSの最新バージョンリリースで、いつもながらの「OS論争」が復活するだろう。
「やはりSnow Leopard最強!WindowsはMacのパクリ」という人々と、「Windows7はMacより使いやすい」という人々に分かれることになる。
古典アニメの主題歌ではないが、仲良くケンカすれば、しばらくは楽しい時間が過ごせるに違いない。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)