writer : techinsight

ゲーム音楽だから……なんて考えは時代遅れ

「ピコピコ音」
昔のゲーム音楽をこのような言葉で表現する人も多かった。勉強して欲しい子供を持つ親にしたら耳障りな音に聴こえたかもしれない。では、現在ではどうだろうか?

現在のような音が出せなかったファミコン時代、どれほどの人がゲーム音楽に対して正当な評価をしただろうか。その状況は今でもあまり変わっていないように思える。実際に聴かせた人に「いい音楽だ」と言わせる事はできても、「ゲーム音楽だよ」と知らせるだけで興味が失せてしまったなんて場面と遭遇した事はないだろうか? もっともゲーム音楽だから、実際にプレイしてその場面場面で曲を聴く事で初めて感動できる曲もある。曲を聴かせただけでそこまでわかって欲しいというのは無理な話だろう。しかし、ここで言う正当な評価と言うのは、「ゲーム音楽」とわかった途端に駄目だと言ってしまう人へのメッセージも込めている。

ゲーム音楽に対して、正当な評価をする人はまだまだ少ない。
「ゲームの音楽なんて」というような言葉も記者自身何度聞いてきた事だろうか。試しにその人にゲームの音楽だという事を言わずに聴かせてみると、「いい音楽だね」なんて言葉が返ってくる事さえある。「ゲーム音楽」という言葉が付くか付かないかだけで評価が変わるなんて、なんとも悲しい話だ。あるCDショップの店長が、「ゲーム音楽もいい曲は多い。よくゲーム音楽なんて……という事を耳にするが、評価されないのが残念でならない」と、言っていた事を今でもはっきり覚えている。

音楽そのものに好みはあろうとも、ゲーム音楽だから駄目という評価でさえない言葉を聞くのは残念なところ。いつの日か正当な評価を受ける日が来る事を望むばかりである。
(TechinsightJapan編集部 林 裕之)