
2011年の地デジ全面移行まであと2年と迫った。現在の地デジ普及率は総務省の統計(2009年3月現在)では未だ60%程度となっており、もはや待ったなしの状態であろう。
先頃地デジ完全移行を実施した米国では、アナログ停波するまで、地デジのことを全く知らなかったユーザーもおり、日本でもこれからいっそうのPRを行わねば、同じようなトラブルが発生するかもしれない。
そんな中、大手量販店ではなく、「街の電器屋さん」である埼玉県電機商業組合と一体となって、安いコストで地デジ移行を図るためのお手伝いをしている株式会社ティー・エム・ワイの取組を紹介する。
地デジ移行のためには、単にテレビを買い換えればよいというものではない。まず現在の居住地が地デジエリアに入っているかどうかの確認が必要だ。エリア外になっている段階では地デジには移行できない。
続いてアンテナをUHF対応に切り替える必要がある。集合アンテナ住宅でVHFアンテナとなっている場合には、家主さんに働きかけていく必要がある。
そして、地デジ対応テレビまたはチューナーを設置しても、電波状況によって発生するブロックノイズ対策も必要なことがある。適宜ブースターを介在させて電波を補強してやることが必要だ。
こうしたさまざまのサポート態勢を取れるのは、古くから地域に密着して営業している街の電器屋さんしかない。大手量販店では、販売には力を入れるものの、きめ細かなサポートの面では街の電器屋さんにはかなわないことが多い。
そうした中、ティー・エム・ワイが埼玉県電機商業組合とともに販売する地デジ対応テレビがVERINI(ベリーニ)だ。15、19、22インチの3種類をラインナップした低価格液晶テレビである。価格はオープンとなっているが、実売は数万円というロープライスで提供される見込みである。
地デジ移行をためらうユーザーの多くは、地デジ対応テレビの価格の高さがネックになっていることが多い。量販店へ行けば、アクトビラ対応・衛星デジタル対応・ブルーレイ/ハードディスク内蔵で数十万円という製品をオススメされてしまうことが多く、「そんな予算はない」とばかりにあきらめてしまう。 一方で、何もわからないまま地デジ対応テレビを買って、「映らない」といって返品してしまうユーザーも多いとのことだ。
しかし、街の電器屋さんならば、地元の顔なじみさんのフトコロ事情は十分承知であるから、無理は言わない。
「ウチもそろそろ地デジにしようかねぇ」と相談すれば、先に紹介した一連のチェック・設定作業をひととり実施した上で、VERINI(ベリーニ)のような低価格液晶テレビをオススメする。
多くのユーザーは、今まで通りに地上波テレビが見れればそれでよいのである。お年寄りはもとより、生活の多くをインターネット閲覧で過ごす若手ユーザーにとっても、多機能大型テレビは無用である。
また、部屋のメインテレビは地デジ対応していても、自分の「お部屋テレビ」はアナログのままというユーザーや、PCのモニターとして地デジ対応テレビを接続して使いたいネットユーザーにとっても、VERINI(ベリーニ)は有力な選択肢となる。
今後は、お年寄りを対象に、VHS録画環境からの移行も促進していく必要があるだろう。もちろん地デジに移行してもVHSテープが使えないことはないが、せっかくのハイビジョンなのであるし、一度デジタル録画の便利さを覚えたら、VHSには戻れないだろう。 そうしたサポートについても、「街の電器屋さん」が力強い味方になってくれる。
ティー・エム・ワイでは、今後全国の同様の電機商業組合に対しても展開するとともに、テレビ以外の商品も提供していく予定である。
(TechinsightJapan編集部 真田裕一)