writer : techinsight

【ドラマの女王】隠しテーマは“初体験”。父親世代のマッチに期待。『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ~』。

今回の【ドラマの女王】は、中山優馬主演『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ~』(フジテレビ系)。今クールドラマ、大ゴケ大本命とか言われているけど、意外に“期待度大”なこのドラマ。2週目にして、血を吸わない為命のキケンが迫るルカ(中山優馬)と女教師・真琴(加藤ローサ)の恋愛の発展は?「B.I.Shadow」とか「Hey! Say! JUMP」とか言われても、いまいちピンとこないアラフォー世代のみなさん。おまちかね近藤真彦・マッチの登場だよ!

キリリとした鋭い視線に、無表情。中山優馬演じる黒宮ルカは、ドラキュラの聖地ルーマニアから日本にやって来た転校生。太陽の光が苦手で、いつもフードを被り赤い日傘を差している。男子たちにはいけ好かないヤツだが、美形のため転校早々女生徒たちからは大人気。「運命の女」を捜して、保険室でつぎつぎ女生徒にキス(というか首に歯を立てるマネ)するルカに女生徒ウットリ目がハート。うーん、このシチュエーションありがちだけど笑っちゃう。

“美少年のドラキュラ高校生”の身辺をうろつく近藤マッチの正体は、“お目付け役の大人バンバイア。なかなか「運命の女」を見つけられないルカに、あいかわらずベットには獲物の“全裸女性”が。ハダカの女性を前にしても、まるでエロさを感じさせないマッチ先生。さすがジャニーズの殿堂、そこは年とってもアイドル。

心を閉ざしたルカをやさしく包むラーメン屋の人たち(伊東四朗、堀内敬子、森本慎太郎)と、父親世代の近藤真彦に期待。これらの脇役がドラマの重さをはかる。「ふたつのスピカ」(NHK)では主演している桜庭ななみも、ルカの同級生役として登場。バンパイアでなくても血を吸いたい程、若くてみずみずしい。

『恋して悪魔~ヴァンパイア☆ボーイ~』の隠しテーマは、ズバリ“初体験”。多くの高校生が童貞を卒業し、処女を失う平成のニッポン。生まれたときから不況だった10代の男女の初セックスは年々低年齢化。そして、夢のもてない若者が増えている。記者は今が楽しい高校生が数年後、「お金がすべて」のキャバ嬢や、泥酔した女子を襲ったりする大学生になってほしくない。

初めて血を吸う「運命の女」を見つける事に苦悩するルカは、“愛する女性”との「初めてのセックス」を求める本来の若い男の姿であり、ドラマを通して「愛は手軽には手に入れられないんだよ!」というテーマもちゃんと見せている。ストーリーも幼稚で“バンパイア”を用いた題名もふざけてるけど、若い子たちの心になにか響けば、それはそれでいいドラマではないかと思うのだが。
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)