ソニーBMGの音楽プロデューサーであり、現在は『Britain’s Got Talent』の辛口審査員として有名なサイモン・コーウェルは今、1978年に日本でも公開された超大ヒット作 “サタデー・ナイト・フィーバー” のリメイクを構想中であるという。主役にはザック・エフロンを推しているが、プロデューサーは契約に慎重姿勢を見せているようだ。
自堕落な生活から、歌って踊って女の子にモテる人生に…。 『ザ・ビージーズ』他のダンサブルなメロディに乗せてディスコで展開される、ある若い男のサクセス・ストーリーが、ジョン・トラボルタ主演のあの超大ヒット作品 “サタデー・ナイト・フィーバー” である。
現在の音楽界で強大なパワーを誇るコーウェルも当時19歳、その映画に強い影響を受けた一人であるが、彼はロバート・スティグウッド氏に、そのリメイク版のプロデューサーを是非とも引き受けて欲しいとし、交渉を続けて数週間になるようだ。
コーウェルは主役にザック・エフロン、音楽はティンバランドを推薦し、スティグウッド氏もコーウェルのアイデアを検討し、納得できれば契約を交わすものと思われるが、オリジナル作品がビッグすぎるがゆえに、彼はプロデューサーの役を引き受けるべきか否か、かなり慎重になっていると周囲は見ている。
「“サタデー・ナイト・フィーバー”はあまりにもヒットしましたから、そのリメイクは正直プレッシャーですよ。酷評されず絶対にヒットするという確証でもない限り、易々とは飛び付かないでしょうね。」
何しろ1970年後半はゲームもパソコンも無く、映画と音楽は人々の大きな楽しみであった。さらに、大音響のダンス・ミュージックの中で踊ってストレスを発散できるディスコのような場は、若者たちがまさに渇望していた新しい娯楽、文化であった。この映画が引き金となって、日本でもゴマンというディスコが開店したことは言うまでもない。
同タイトルのサントラは、世界で4000万枚という空前の大ヒットとなったが、ご承知の通りその後ディスコ音楽は黒人勢力が主流となり、今ではディスコはクラブと化し、音楽もヒップ・ホップが幅を利かせている。超人気のザックを起用しても、そのオリジナル作品への畏怖の念と時代の変化に囚われ、前に進めないでいるというスティグウッド氏に、残念ながら私も一票…。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)