writer : techinsight

「黒猫チェルシー」を越える逸材がザクザク。魅惑のライブハウスめぐり第2弾。

齢40歳のアラフォー記者が、ロック系ライブハウスの魅力を全国の皆様にお届けする、「耳栓持参」のライブ・レポート。吉祥寺のスタンディング・バー ROCK JOINT GBにて10代のカリスマ・バンド「黒猫チェルシー」
魅力を紹介した第1弾に続き、第2弾はギタープレイに定評のあるバンドが集まった埼玉県西川口「Hearts」でのジョイントライブの様子をお伝えしよう。中年だって今夜もロックだぜい!

NHK朝ドラ『つばさ』の舞台・川越から電車で40分あまり、同じ埼玉県の西川口にあるライブハウス「Hearts」は、駅前の商店街から多少離れて駐車場や空き地に囲まれた場所にボコっと建っている。倉庫を改造した建物で思いっきり演奏しても近所迷惑にならなという、ハード系のバンドにとってはありがたーいスペースである。ロッジ風の入り口がかわいい。

でもライブ会場はやっぱり大音量だった。前回吉祥寺でのライブ時に購入した“耳栓”をしっかり耳に詰め、髪の毛で隠し中へ。最初のバンドが演奏していたのだが、1分でホールから出る。そこには1歳ぐらいの乳児をつれた若い夫婦も来場していた。最初赤ちゃんはニコニコしていたけど、コンドームよりもうす~い鼓膜が破れやしないかヒヤヒヤの記者。注意深く見ていたら、演奏が始まるとやっぱり彼(赤ちゃん)がグズりだし、親御さん二人も飲食スペースへ出てきた。そりゃそうだ、大人だって耳がキーンと痛いんだ。

ここはライブをしているホールの手前に飲食スペースがあり、ライブを映したテレビを見ながら限定12食のカレーやら、ホットドック、デザートなどが食べられる。ドリンクチケットもそこで交換する。
その飲食スペースに、本日の目玉ゲスト・ROLLY氏がメイク前の姿でウロウロしていた。なんともアットホームな雰囲気だ。限定12食のカレー(600円)とジンジャーエール(チケットを利用。)を注文。「Hearts」の看板娘がサッとカレーをよそってくれる。スパイスの効いたオレンジ色のカレーはピリリと辛いがマイルドな味。量も多くてお腹も満足。いいぞ、「Hearts」。
美味しいので夢中になって食べていたら、1つ目のバンドのライブが終わってしまった。ホールの中から、演奏していた彼らがCDを売るために汗だくのまま出てきた。今日はお客が多いから販売に一生懸命だ。ゴメン、君たちの演奏カレー食べてて見てなかったよ・・・・。

ほどなくしてお次のバンドが始まる。さわやか系の男性ボーカルと、ロンドン風お姉ちゃんの「ミルクティース」。メロディーは温かく懐かしい感じでありながらも、ちょっとだけテクノ風という、ノリの良いバンドだ。度重なるメンバーチェンジによりキーボードがいないのだが、全部機械によるサンプリングとういう手法で切り抜けている。やはりギターは上手い。いつかテレビで彼らを見る日が来るであろうか。

この日の目玉、ROLLYのギターが聴ける「THE 卍(ザマンジ)」のライブを最後に残し、次々若手のバンドが演奏する。この日一番ビックリしたのは、「THE JFK」という、また随分と大きく出た名前を持つバンド。「寝食(しんしょく)忘れてギターに没頭してまーす。」みたいなギター・ボーカルのメガネ兄ちゃんは、なぜか紺のカーディガンを着ている。両端のギター、ベース、後方のドラムは皆、黒の革ジャンなのにだ。そして人間ワザとは思えない(というか最後の方は弾いてない?)ギターアクションもなんかすごい。カーディガン君のメガネもすっとび、もう何を歌ってたかも覚えていない。でも何かすごく魅力的な人たちだ。

その次のバンドが演奏中、歌い終わったカーディガン・メガネ君ご本人に聞いたところ、ニルバーナのカート・コバーンはいつもカーディガンで歌っていたそうな。ひとつ勉強になった。また、自分だけ皮ジャンが支給されてないとも、メガネを外したライブ後半は、“何も見えてない”という「衝撃の事実」も教えてくれた。

うーん。前回「黒猫チェルシー」の破天荒ぶりにびっくりしていた記者。全国のライブハウスには、「THE JFK」の彼らのようなまだまだ世に知られていない“不思議な逸材”がザクザクしているのである。これを知らずとしては人生後悔するというもの。齢40歳のアラフォー記者のライブハウスめぐりはこれからも続くのであった。

(NHK朝ドラ『つばさ』の草食系奇人・浪岡さんのROLLY氏が“ドラマより100倍輝いている”、「THE 卍(ザマンジ)」のライブの模様は、次回【ドラマの女王】:番外編でお届けします。)
(TechinsightJapan編集部 クリスタルたまき)